【アクタージュ】ネタバレ35話と感想!巌とカムパネルラの共通点
10月1日に発売された週間少年ジャンプで連載中の【アクタージュ act-age】ネタバレ35話と感想になります。
前回話では演出家巌裕次郎がガンにより余命3か月~半年という状況を知らされた夜凪。
しかしこの事を知っているのは夜凪だけであり他の舞台員には教えていない。巌は最期の舞台をさらに良くするため夜凪だけに自分の状態を教えており、夜凪が演じている自分だけが死ぬことに気付いているカムパネルラの役作りのクオリティを上げるために巌は自分の死さえ利用しようとしていたのだった。
目次
【アクタージュ】ネタバレ35話!巌とカムパネルラの共通点
調子がおかしい夜凪
舞台公演まで残り1か月をきった時に行われた決起会にて巌がもうすぐ亡くなってしまうという秘密を知ってしまった夜凪。その事がひっかかっているためか稽古に集中できないのでいた。
「”お母さん”は僕を許してくださるだろうか」「僕は”皆”が本当に幸いになるならどんなことでもする けれどもどんなことが”皆”の一番の幸なんだろう」
七生いわく夜凪は”お母さん”というセリフを”皆”と間違えているとのこと。最近好調であった夜凪であるのに無自覚のミスが増えてきていると心配していた。
「明らかに集中力が欠けている あの屋形船の晩から」
その一方で阿良也はさらに芝居の精度を上げていた。
これ以上はクセになってしまうから「やめよう」と阿良也。
「えっ?」と驚く夜凪。
今の夜凪は全然芝居に入ることができておらずさらにその自覚までもない重症の状態であると阿良也は言いました。
「夜凪に何をしたの 巌さん」と阿良也は巌に質問。阿良也は夜凪の状態は巌が原因であることを見抜いていた。
「新しい価値観を教えている」と巌。一時的に混乱しているだけでありすぐに安定するといいました。
「新しい価値観って?」と聞く阿良也にお前はまだ知る必要がないと巌。夜凪はすぐさま阿良也に自分のせいだと謝りましたが相変わらず勝ってが過ぎると巌を責める。
「俺は今かつてない程 役に潜れている 自分でも興奮しているくらいだ余計な事したらあんたでも許さないよ」と巌に怒る阿良也。
亀は「怖い者知らずにもほどがあるだろ!!」と横で見ながら思っていた。
巌と夜凪
舞台での活動が終わり巌と夜凪は残る。
そして自分が亡くなってしまうことについて夜凪に淡々と状況を説明していく巌。
古い仲間はもう何人も逝っちまった、自分の死を受け入れるのにそう時間がかからなかったと語る巌。カムパネルラは若く友人であるザネリを助けるために川に飛び込んで死んだ。天命を全うする俺とは大違いだが一つ俺と同じことがあると続ける巌。
「俺もカムパネルラも自分の死を受けて入れていることだ」
その話を聞いているがうつ向く夜凪にこれはお前の役作りのための対話なのだから聞きたいことがあるなら遠慮するなと巌。
「…皆に嘘を吐くのはつらくないの?」
しかし巌は
「…ああ 芝居のためだからな」
と言うのであった。
巌との対話も終わり夜凪が帰るために外に出ると大勢の舞台員が待っていた。
亀は最近巌と何をしているのか知らないがこれ以上主演にボケっとされてたら俺たちが困ると言い「読み合わせでもなんでも付き合ってやる どうせアキラとその予定だったしな」。
七生は巌と芝居を続けるためにこの舞台を必ず成功さないといけないと言う。
しかし夜凪は具合が悪いと言い帰ってしまいました。亀たちは夜凪は巌にこっぴどくやられたのだろうと特に気にしていませんでした。
大黒天スタジオにて
大黒天スタジオに戻った夜凪は黒山、柊さん、妹弟のルイ、レイ共にカレーを食べていた。
テレビではちょうど今度の舞台である銀河鉄道の夜の情報と出演が決まっている星アキラと熱愛報道されてしまった夜凪の影響でチケットがすでにソールドアウトしている情報が流れていた。
「話題になってるねぇ 楽しみだねぇけいちゃんの初舞台」
「稽古の方は最近どう?けいちゃん」
と嬉しそうに質問する柊さん。
しかし夜凪は聞いておらず妹のレイから「おねーちゃん?」と体をゆさられることで気づく。
めずらしく事務所でご飯を食べたいと言った夜凪と今の状態に心配する柊さん。しかし巌との秘密であるため「…ううん 何でもない」と言う。
そんな状態を悟ったのか黒山は「夜凪家今日泊ってけ」と提案。
レイとルイは黒山と映画を見るのが好きであるためか嬉しそうだった。「わーいクロちゃんポニョ観よー!ポニョ」「レイトトロがいい」。
深夜になり柊さんと弟妹たちは寝静まったが「眠れない…」とスタジオの屋上で空を見上げる夜凪。
「巌のじいさんに”言うな”と言われたか」
と黒山が屋上にやってきた。
夜凪は黒山が知っているのか聞くとずいぶん前から本人から聞いているという。
「良かった 私しか知らないんだって思ってた…」「私どうしよ黒山さ—」
という夜凪に
「知らん」
と黒山。
もっと大人らしいアドバイスをしに来てくれたのではないのか?という夜凪に黒山は巌裕次郎は演劇の権化みたいな男であると言い一度決めたことは絶対に変えねぇと言いました。
「でも…!!」
でも死んでしまったらもう二度と会う事ができなくなる。病気の事は劇団の皆に伝えるべきだと夜凪は言います。
そんな夜凪を見て黒山は”銀河鉄道の夜”の作品について語る。
「知ってるか 銀河鉄道の夜は宮沢賢治の死後に発見された作品なんだよ」
「実は未完成品でな恐らく遺作だろうとオレは思っている」
と語る黒山。
何の話をしだしたのかとまどう夜凪。
「”本当の幸ってなんだろう”この作品に繰り返し出てくるこの言葉は病床に伏していた賢治の最後の人生の疑問だ」
『ぼくわからない けれども誰だってほんとうにいいことをしたらいちばん幸なんだねぇ』『だからおっかさんはぼくをゆるして下さると思う』
と黒山はカムパネルラのセリフを言いだす。
友達のために死んでもその自己犠牲は「本当はいいこと」だから母親は自分の死を許してくると信じているセリフ。しかし黒山は「冗談じゃない」として残されたジョバンニや家族の気持ちを考えていないと語る。
俺から言わせればカムパネルラも巌もエゴイスト。だから”あいつら”似てるだろ?と夜凪に聞きました。
エゴイスト:他人のこうむる不利益を省みず、自らの利益だけを求めて行動する人
しかし夜凪はカムパネルラは千世子に似ているけど巌とは全然—と言うも黒山は「似ているさ」という。
「“ほんとうにいいこと”さえしてりゃ きっとお前たちなら許してくれると信じているんだよ巌のじいさんは」
この言葉を聞いて夜凪は巌が屋形船で言った「演劇をやるためだけに生まれてきたろくでなし」という言葉を思い出していた。
巌さんにとって”本当にいいこと”とは最高の舞台を私たちに演じさせることであると気づいた夜凪。そうして黒山は夜凪に「役者なら覚悟を決めろ」という。巌とカムパネルラの”本当の幸”を演じる覚悟と巌裕次郎となりあの劇団を導くことがお前の最後の役作りだと黒山は語りました。
一方場面変わって巌家。
「言ってたより早ぇじゃねぇか ヤブ医者め」
【アクタージュ】ネタバレ35話の感想
今回話では巌の秘密を聞いて動揺する夜凪でありましたが黒山から巌の考えとカムパネルラの共通点を聞いて役者として覚悟を決める話の内容でありました。
しかし一方で余命宣告されていた巌が突如倒れてしまうという展開に!
確実に巌はこれから日々の舞台の練習から離脱してしまうような展開ですがどうなってしまうのか今週号もそうとう面白い展開でありましたね。
”本当の幸い”は自己犠牲の精神
銀河鉄道の夜では「本当のさいわい」というのが一つのテーマになっています。
「本当のさいわい」の解釈はいくつかあるらしいですがアクタージュ今回話で出たのは自己犠牲の精神。
自分はどうなってもいいので他人が幸せであるならば良いという考えであります。作者宮沢賢治のこの考えは他作品の「雨にも負けず」の考え方でもあると言われており、贅沢をせず欲を持つことなくあらゆる人を助ける。
さらに
「みんなに 木偶坊(でくのぼう)と呼ばれ
褒(ほ)められもせず 苦にもされず
そういうものに 私はなりたい」
という考え。
この考え方を黒山は(亡くなった後で)残された人のことを考えてないとしてエゴイストと言っているのが中々面白いです。
アキラの特訓
そろそろアキラも覚醒するころでしょうか?
アキラは舞台の稽古が終わってからも他劇団メンバーと残って毎日稽古をしているようです。
アキラがどの配役をするのかはまだ不明ですがアキラも本番ではどうなるのか楽しみです。
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